新薬の薬価の決め方ってどうなってるの?徹底調査してみた

薬価の決め方ってどのようになっているのでしょうか?

持病があったり病気に掛かった時に薬の存在は有難いものですが、この薬の価格はどのように決められているか意外と知らない人が多いようです。

小野薬品工業が開発した新型の癌の治療薬「オプジーボ」の薬価が、半額になるというニュースが話題になりました。

そこで今回は日本では新薬の薬価が、どのように決められるかを詳しくご紹介します。

薬価の決め方って?日本において薬の値段はどう決められているのか?

日本において薬の値段はどう決められているのか?
日本の薬の値段は「薬価制度」で決められており、元々その制度は明確です。

薬事承認を取得した製薬会社は、厚生労働省に保険適用を申請します。

提出された申請書を元に、薬価算定組織(中央社会保険医療協議会の下部組織)が価格が妥当かどうか判断します。

最終的には中医協が了承することで薬の値段は決まり、薬価基準に記載されます。これらの手順は通常60日以内で行われます。

価格の計算方法も明確に規定されています。

すでに類似の薬がある場合には「類似薬効比較方式」(類似薬の価格を参考に決める方法)で計算されます。

類似の薬がない場合は「原価算定方式」(製造・研究開発にかかった金額、営業利益を積み上げる方法)で計算されます。

すでに販売されている薬に比べて新規性や有用性が高ければその分が加算されます。

アメリカやヨーロッパですでに販売されている薬は、現地での平均価格と計算された価格を比較し、あまりにもかけ離れていたら調整することにより価格を決定します。

この制度の特徴の1つに定期的に価格が見直しされることがあります。

今のところ、2年ごとに改定が行われています。

引き下げる場合は通常R2方式という方法で算出された価格が採用され、実際の販売価格と離れていればいるほど引き下げられることになります。

急激に売り上げを伸ばす薬がある場合には「市場拡大再算定制度」が導入されます。

これは通常の薬の価格の改定だけでなく、売り上げが年間150億円を超える薬には、最大25%の引き下げを可能とするものです。

近年であれば1994年にインターフェロン製剤のときに対して導入されました。

一方で、2010年に新薬創出を促進するために新薬創出・適応外薬解消等加算(新薬創出加算)が試行されました。

この制度は後発品が販売されていない新薬で、一定の要件を満たしていれば、実質的な薬の価格を据え置くというものです。

これは研究開発をして薬を開発する企業が求めてきたものが実現した制度でもあります。

特例拡大再算定の導入

特例拡大再算定の導入
2016年度には薬価制度の改革がなされ、特例拡大(巨額)再算定が導入されました。

これは巨額な売り上げのあった薬に対するものです。

これは2015年に発売された「ソバルディ」(ソホスブビル)と「ハーボニー」(ソホスブビル・レジパスビル配合剤)というC型肝炎の治療薬が1年間という短期間で1000億も売り上げ、国内トップクラスの製品となったので、その対応のため導入されました。

特例拡大算定では

・1年間の売り上げが1000億円を超え、1500億円以下であり、かつピーク時の予想より1.5倍以上の薬には最大25%薬の価格を引き下げることができます。
・1年間の売り上げが1500億円を超えて、かつピーク時の予想より1.3倍以上の場合は最大50%薬の価格を引き下げることができます。

しかしこの制度を導入するにあたっては、厚生労働省はかなりばたばたと決定したところがあります。

徹底した議論をして決定したとはいいがたく、急激に売り上げが上昇した「ソバルディ」と「ハーボニー」の費用対効果を十分検討せずに薬の価格ばかり焦点をあてた制度となった印象があります。

C型肝炎治療は3か月間で済むため、薬剤費としては数年で頭打ちとなり、減っていくことは明らかなので、この引き下げが果たして妥当だったか、という議論は必要になってくるでしょう。

1年間に約3500万円も掛かる癌の治療薬「オプジーボ」

1年間に約3500万円も掛かる癌の治療薬「オプジーボ」
2015年12月に肺癌への適応拡大が厚生労働省から承認され、小野薬品工業から発売された癌の治療薬「オプジーボ」は、2016年には一部の血液がん患者にも使用が承認されました。

「オプジーボ」はニボルマブと呼ばれる癌の免疫治療薬で、免疫システムに働き掛け癌細胞の増殖を阻止します。

これまでは治療方法がないような末期の癌患者にも効果がある画期的な癌の治療薬ですが、1回の投与で約100万円も掛かり年間に約3500万円と利用できる人が限られています。

どのように決められる?新薬の薬価の決め方とは?

どのように決められる?新薬の薬価
その「オプジーボ」の薬価が50%引き下げられることが、厚生労働省の発表で分かりました。

当初は厚生労働省では「オプジーボ」の薬価を25%だけ引き下げる予定でしたが、安部首相など官邸が強い難色を示し結局50%の引き下げが決まったようです。

厚生労働省では2018年度から薬価に費用対効果を、反映させる仕組みを導入することを表明しています。

新薬の薬価はこれまでは類似薬がない新薬の原価計算は、製造原価+販売費・研究費+営業利益+流通経費+消費税を累積加算することで行ってきました。

オプジーボの価格が引き下げられた不明瞭な根拠

オプジーボの価格が引き下げられた不明瞭な根拠
まずオプジーボの価格はどのように決められたのでしょうか?

前述の原価算定方式で計算され、画期性加算の60%が上乗せされ100mg72万9848円という価格に決定しました。

加算前の1日の薬の価格は最近のほかの抗がん剤と変わらないくらいです。

中医協の資料によると、対象となる患者さんの数は470人で、ピーク時の売り上げは2年後の31億円と予想されました。

しかし、2015年11月の日本肺がん学会学術集会で日赤医療センター化学療法科の国頭英夫部長が「1年間でオプジーボを5万人に使用すれば、薬剤費は総額1兆5000億円となり、高額医療費制度の元では98%が税金負担となるため、国の負担となることは間違いない」と主張したのです。

このことで厚労省は対応をせまられることになったのです。

まずは特例拡大再算定のルールを適用することにしました。

小野薬品工業によると2016年度のオプジーボは1260億円の売り上げ計画でした。

このことより25%引き下げるルールを当てはめることで進んでいました。

しかし、アメリカでは約30万円、イギリスでは約14万円での価格であったことから、日本での価格が極端に高いのでは、という指摘をうけたのです。

2016年10月14日の政府の経済財政諮問会議では有識者により「50%以上下がってもおかしくない」と提言がありました。

同年11月には一般紙にも「50%引き下げで調整」といった報道がされると、そのまま中医協はオプジーボの50%引き下げを了承しました。

2018年には定例の薬価改定があったのですが、前倒しで2017年2月1日より引き下げられることになったのです。

薬価については「特例」ばかりが目立つ年となりました。

薬価が50%引き下げとなるのは年間売り上げが1500億円を超えてピーク時の売り上げが予想の1.3倍以上のときであるのはこれまで述べてきたとおりです。

小野薬品が計画で明らかにした1260億円に厚労省は

・流通経費7%
・消費税8%
・卸業者が医療機関へ納入する価格と薬価の差の1/2
・効能追加分

これらを加味して年間販売予想額を1516億円と見積もりました。

問題なのは「卸業者が医療機関へ納入する価格と薬価の差の1/2」の1/2という数字です。

厚労省は「明確な根拠はない」としつつ、「あくまで保守的に、かつ厳しく見積もるため」としています。

しかしこれが1/2ではなく、1/3だったとしたら年間販売額は1500億円とはならないです。

これでは関係者が納得いかないのも無理はないでしょう。

薬価を決めるための正しい評価が必要

薬価を決めるための正しい評価が必要
このオプジーボの薬価引き下げによって、投資家から「日本はその場その場で薬価を決定し、ルールや手続きを無視している」と指摘する話があがってきています。

政府は医薬品産業を成長産業と捉えているにも関わらず、筋の通らない話で業界の足を引っ張っているともいえるでしょう。

現にオプジーボの薬価が50%に引き下がると決定してから1か月後、小野薬品は2016年の収益を下方修正しました。

そのことによって翌日の株価は大きく下がってしまいました。

厚労省は2015年9月4日に医薬品産業強化総合戦略で「イノベーションの適正な評価が研究開発におけるインセンティブになる。

また医薬品の研究開発は長期におよぶため、予見性が確保されることも重要」と公表しました。

しかし今のところ現状は悪化するばかりです。

イノベーションの評価は画期的加算で形となります。

このことにより売り上げを伸ばすことができるのです。

しかし売り上げが上がると薬価が大幅に引き下げられてしまいます。

このような方向性のない制度がまかりとおっているのです。

政府は2018年度の通常改定までに薬価設定のルールについて抜本的な見直しをするとしています。

費用対効果評価も見直されることになり、適正に運用されれば、イノベーションも適正に評価されるでしょう。

しかし今まで薬剤にだけ焦点をあて評価をしていましたが、そこにほかの評価も加える必要があるということです。

医師の診療に対する技術料というものも評価されなければならないのではないでしょうか。

医療全体に対する評価を薬価に反映させるような制度にしないと、見直しをした意味がなく、国民からの納得も得られません。

また薬価改定を2年に1回の通常改定の中間年度にするといった議論もあがっています。
いずれにしろ、2017年は薬価制度にとっては転換期を迎える重要な年ということがいえそうです。

まとめ

一般の人が買える薬価をしっかりと考えてほしいですね
どんなに効果があり画期的な新薬でも、一般の人が買えないような薬価だとしたら意味がないような気がします。

確かに新薬が承認されるまで10年以上も掛かり、製薬メーカーも多額の資金を投入せざるを得ないのが現実です。
しかし「オプジーボ」のように効果があると分かっていても、お金がないだけで死ぬのを待つしかない人の気持ちは計り知れません。

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